外国人の定着率は日本人よりも低いと言われていますが、実際に全体の44%が1年未満に離職の意思を持っていたというデータも存在します。
では、その理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、外国人の定着率を上げるために企業が取り組むべきことについて解説します。
外国人労働者の定着率は日本人と比べて10%〜20%低いというデータがあります。また、平均勤務年数は3年未満といわれています。
厚生労働省が発行している「外国人求職者の分析」によって2020年から2021年にかけての離職率を見てみると、企業側の都合で離職した割合はどの月も40%以上でした。
また、自己都合の退職も2021年に民間会社が調査したデータによれば、入社1年未満の早期退職者は28%であり、離職したくても制度や契約に縛られてできなかったという回答は16%もありました。
外国人労働者の定着率が低い理由として主に考えられるものは以下のとおりです。
外国人労働者は転職に対してアグレッシブであるため、自分のキャリアやスキルが活かせなかったり、待遇に不満を感じたり、その会社にいる意味を見出せないと感じたらすぐに離職を考えるでしょう。
また、何か悩みを抱えていても、日本人労働者には理解しにくいものであることも多く、相談できずにいるケースも少なくないでしょう。
外国人の定着率を上げるためには企業側の努力も必要です。外国人の定着率を上げる効果が期待できる3つのポイントをご紹介します。
外国人労働者の多くは、入社した会社で専門性を高めたい、さまざまな経験をしたい、いずれは独立したい、出世してマネジメントを経験したい、将来的には帰国するなどのキャリアパスを持っています。
このようなキャリアパスに合わせた適切な支援が求められます。
専門性を高めたい場合は、専門性がより高い業務を任せたり、将来的に独立を希望している場合は、独立に必要な知識を学ぶ講習を受ける機会を設けるなどが考えられます。
企業が積極的にキャリアアップ支援をすることで、外国人労働者の満足度が高くなり、その結果定着率アップにつながります。
ダイバーシティマネジメントとは、人材の多様性(=ダイバーシティ)を経営や組織強化に活かす取り組みのことです。
外国人労働者は日本の企業で働くことで日本語や労働習慣などを学びますが、受け入れる企業も全ての従業員が外国人労働者の母国語や文化を学ぶ機会を設けるのも1つの方法です。
企業内で多様な価値観が生まれることで、日本人労働者も含めて定着率アップにつながるでしょう。
外国人労働者は言葉の面などから孤立しがちです。
業務において悩みや相談があっても、聞けないというケースも珍しくないでしょう。
外国人労働者にメンターを配置し、業務内外のアドバイスや指導の実施などの支援をすることも必要です。
何かあってもすぐに相談に乗れる相手がいることは、外国人労働者にとっても心強く、問題が解決すれば、定着率の向上につながります。
外国人がすぐに離職してしまうのは、待遇に不満があったり、自分のキャリアパスに適さないと判断するなどの理由があります。
定着率を上げるには、多様な価値観の受容のほか、キャリアアップ支援やメンターの配備などが効果的です。